特定空家とは?認定基準と認定された場合に生じるリスクについて解説

特定空家とは?認定基準と認定された場合に生じるリスクについて解説

この記事のハイライト
●放置するのが危険であると自治体が判断した空き家は特定空家に認定される可能性がある
●特定空家の判断基準は「空家対策特別措置法」で定められている
●特定空家は多くのリスクが生じるため早めに売却するのが得策

親から相続した実家など、将来活用する予定がないのに、処分せず放置しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、空き家を放置すると「特定空家」に認定され、さまざまなリスクが生じるため、早めに処分することをおすすめします。
そこで今回は、特定空家とはなにか、どのような基準で特定空家に認定されるのか、認定された場合に生じるリスクについて解説します。
大阪市住吉区で空き家を所有している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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特定空家とは?認定される空き家と通常の空き家の違い

特定空家とは?認定される空き家と通常の空き家の違い

近年の日本では、放置された空き家の増加が大きな社会問題になっています。

空き家の増加が社会問題となる理由

空き家が増加する原因として考えられるのは、少子高齢化や核家族化が進んだことにより、家を相続する方がいない、相続しても放置されるといったケースが増えていることです。
人が住まなくなった空き家は急速に劣化が進むため、地震が起こった際に倒壊したり、火災が発生したりする恐れもあります。
また、放置され続けたことで所有者がわからなくなってしまうと、公共事業や開発事業を実施する際、スムーズに手続きが進みません。
そこで国は、空き家の増加を食い止め、中古住宅の流通を促進することを目的に「空家対策特別措置法」を施行し、そのなかで、特定空家に関するルールを示しています。
では、特定空家は通常の空き家となにが違うのでしょうか。
それぞれの定義と責任内容について解説します。

通常の空き家とは

空家対策特別措置法では、空き家の定義として以下の2点を示しています。

  • 建築物またはこれに附属する工作物、敷地
  • 居住やそのほかの目的で使用されていないこと

たとえば、ライフラインの使用状況や所有者の住民票などが判断材料となります。
通常の空き家の責任内容
通常の空き家の場合、その所有者には適切な維持管理をおこなう責任があります。
また、空き家が原因で周辺の家屋などに悪影響を与えないよう、対策することが求められます。

特定空家とは

特定空家とは、適切な管理がおこなわれておらず、地域の治安上、衛生上、放置するのは危険な空き家のことです。
特定空家の定義は、次章の認定基準の箇所で具体的に解説しますが、先述した空き家のなかでもとくに放置すべきではないと自治体が判断した空き家が特定空家に認定されます。
特定空家の責任内容
通常の空き家の責任内容は、適切な管理をおこなうことですが、特定空家に認定された空き家の責任内容は、さらに厳しく定められています。
特定空家に認定されたあとは、行政からの助言・指導・勧告・命令に従い、空き家の修繕もしくは解体、植物の伐採などをおこなわなければなりません。

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空き家の所有者が知っておきたい特定空家の認定基準

空き家の所有者が知っておきたい特定空家の認定基準

次に、空家対策特別措置法によって特定空家に認定される基準について解説します。
特定空家の認定基準は、以下の4つです。

倒壊など著しく保安上危険となる恐れのある状態

具体的には、柱が傾いてる、外壁が剥がれている、土台が腐食している、擁壁が老朽化しているような空き家が該当します。
柱や土台は、空き家を支えるうえで重要な部分です。
躯体部分に損傷が見られる場合は、地震や台風などが起こった際に倒壊する恐れがあります。
したがって、そのような空き家は危険な状態であると判断され、特定空家に認定される可能性が高いです。

著しく衛生上有害となる恐れのある状態

ゴミが放置されていたり、不法投棄に利用されたりといったことが原因で、悪臭を発している状態も、認定基準の1つです。
そのような状態のまま放置したことによって、害虫や害獣の巣になる可能性があります。
そうなると、周囲の住民の体調が悪化したり、棲みついた害獣が危害を与えたりする恐れがあるため、危険です。

著しく景観を損なっている状態

窓ガラスが割れたままになっている、外壁に落書きがされている、雑草が生い茂っている、ゴミ屋敷になっているなど、見た目が悪く景観を損なっている空き家を見かけることがあります。
外見が悪すぎて周囲の景観と調和していない場合も、特定空家と認定される場合があります。

周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

上記のような状態でなくても、周辺の住民が生活するうえで問題になっているような空き家も、特定空家に認定される可能性があります。
たとえば、庭木が伸びて敷地を越えており、通行の妨げになっているケースです。
また、雪が降る地方では、屋根雪が道路に落ちて前の道路をふさいでしまうケースも該当します。
さらに、犯罪の拠点に使用され、不審者が出入りしているなど、治安面での不安がある場合も、特定空家に認定される可能性が高いです。
このように、周囲の生活に支障が出たり、迷惑をかけたりするような空き家が特定空家の対象となります。
また、各自治体独自の認定基準を設けている場合もあります。

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特定空家に認定されると生じるリスク

特定空家に認定されると生じるリスク

空き家を所有している方は、実際に特定空家に認定されるとどうなるのかについても知っておくことが大切です。
そこで最後に、所有している空き家が特定空家に認定された場合に生じるリスクについて解説します。

固定資産税が跳ね上がる

土地や建物といった不動産を所有している方は、毎年、課税標準額×1.4%の固定資産税が課されます。
そのうち、住宅が建っている土地については、税金が減額される制度があります。
これを「住宅用地の軽減措置」といい、具体的な計算式は以下のとおりです。

  • 小規模住宅用地(200㎡以下の部分)…課税標準額×1/6×1.4%
  • 一般住宅用地(200㎡を超える部分)…課税標準額×1/3×1.4%

特定空家は、「住宅用地の軽減措置」が適用されません。
したがって、課税標準額そのままに対して税率が課されます。
つまり、特定空家に認定されると、固定資産税が跳ね上がるのです。
使用していない空き家に多額の固定資産税が課されることになるため、負担が大きくなります。

行政指導の対象になる

特定空家に認定されると、以下のような流れで手続きが進みます。

  • 助言・指導
  • 勧告
  • 命令
  • 行政代執行

自治体による調査の結果、特定空家に認定されると、まず所有者に対し、不適切な状態を是正して空き家を適切に管理するよう「助言・指導」がおこなわれます。
具体的には、破損した箇所の修繕や解体をすすめられるなどです。
「助言・指導」を受けても所有者が対処しない場合は、「勧告」がなされます。
「勧告」は、「助言・指導」よりも強い措置です。
「勧告」に従わない場合は、さらに強い措置である「命令」がなされ、それでも従わない場合は、50万円以下の過料が課されます。
この「命令」を無視した場合は、最終的に行政代執行が実施される場合があります。
行政代執行により空き家を強制的に解体され、その解体費用は所有者負担です。
つまり、空き家を失うだけでなく、多額の費用を請求されることになるのです。
このように、空き家を放置したことによって特定空家に認定されると、多くのリスクが生じます。
したがって、不要な空き家は、早急に処分することを検討することをおすすめします。

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まとめ

特定空家とは、放置するのは危険である、また周辺の生活環境を害す恐れがあると自治体が判断した空き家のことです。
特定空家に認定されると、固定資産税が跳ね上がり、行政による指導や勧告などを無視すると、所有者負担で強制的に解体される可能性があります。
不要な空き家は、所有し続けると多くのリスクが生じるため、少しでも価値があるうちに売却を検討しましょう。
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堂前利之

部署:あびこ店 店長

資格:宅地建物取引士、不動産仲介士®、相続診断士®、土地活用プランナー®


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