2024-10-29
高齢化と核家族化が進む日本では1人暮らしの高齢者が増加しており、孤独死が発生することもあります。
本記事では、孤独死が発生したマンションが「事故物件」に該当するのか、売却価格の下がり幅や売却にあたっての注意点について解説します。
大阪市住吉区でマンションの売却を検討中の方は、ぜひ参考にご覧ください。
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孤独死とは、1人暮らしの方が亡くなり、誰にも看取られることなく発見される状態を指します。
多くは心不全や熱中症などの突発的な原因で亡くなりますが、この事態が事故物件に該当するか否かは、遺体の発見された状態によります。
そもそも事故物件とは、事件や事故により死亡事故が発生した物件のことです。
心理的瑕疵物件ともいわれます。
心理的瑕疵とは、不動産取引において、住む方が心理的な抵抗や嫌悪感を感じる可能性のある事柄を指します。
その事柄とは、自殺、他殺、事故死、孤独死といった事件・事故などです。
また、墓地や嫌悪施設、指定暴力団構成員の居住が近接している場合なども該当します。
心理的瑕疵は、不動産の物理的または機能的な瑕疵とは異なりますが、物件の市場価値に影響を与える要因です。
このため、売主がこれらの事実を知りながら説明を怠った場合、契約不適合責任が問われる可能性があります。
契約不適合責任とは、売買契約等において、引き渡された目的物が契約の内容に適合していない場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。
事故物件は実際に事件や事故が発生した物件を指しますが、それ以外にも住む方に精神的な抵抗を感じさせる可能性のあるさまざまな事象が心理的瑕疵に該当することがあります。
事故物件を売却する際には、買主に対する告知義務が法的に定められています。
とくに、事件性が伴わない孤独死の場合にも告知が必要かどうかは、国が定める「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に基づいて判断可能です。
告知義務が必要なケースには以下のとおりです。
一方、告知義務が不要なケースは以下のとおりです。
これらの区分により、孤独死が事故物件に該当するかは、遺体の発見時期と状況に大きく依存します。
遺体発見が早い場合には、一般的に「自然死」として扱われ、告知義務は生じません。
しかし、遺体の発見が遅れて腐敗が進んだ場合、特殊清掃が必要となり、そのような物件は事故物件とみなされ、告知義務が生じる可能性が高くなります。
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孤独死が発生したマンションの売却は、通常の物件と比べて困難になることが予想されます。
とくに、発見が遅れた場合、事故物件として扱われるため、積極的に購入を希望する方は少ないです。
また、発見が早く事故物件と見なされない場合であっても、過去に死亡事故があったという事実に敏感な購入希望者は敬遠する傾向にあります。
結果として、孤独死が発生したマンションは市場価格よりも低く設定されることが一般的です。
孤独死があったマンションの売却価格は市場相場から20%程度下落することが一般的です。
仲介を通じて売却する場合、相場よりも価格が少し下落する可能性があるでしょう。
さらに、不動産会社の買取を選択した場合は、売却相場の70%程度に設定されることが多いです。
一方で、不動産買取は現金化が迅速におこなわれるため、買主を待つリスクを避けたい場合に適した選択肢です。
孤独死が発生した場合でも、価格が大きく下落しない状況も存在します。
とくに、遺体がすぐに発見された場合、価格への影響は限定的である可能性があります。
自宅での死亡が自然な出来事と捉える購入希望者もいるためです。
くわえて、条件が良く価格がわずかに下がる物件に関しては「少しの値下げで優良なマンションを購入できる」と考える方もいます。
たとえば、駅近の良好な立地や、物件の状態がとても良い場合、通常の市場価格と大差なく売却できることもあります。
そのため、孤独死があったマンションの売却価格には、亡くなった状況、発見までの時間、立地条件など、複数の要因が影響を与えます。
孤独死があったからといって必ずしも価格が大幅に下がるわけではありません。
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孤独死が発生したマンションを売却する際には、売却価格を下げないためにもとくに注意が必要です。
売主が事前に知っておくべき重要な注意点は、以下のとおりです。
孤独死により発見が遅れた場合、遺体の腐敗や体液、血液が床に染み込むことがあり、場合によっては害虫が発生することもあります。
これらの凄惨な状況は、通常のハウスクリーニングでは完全に清掃することが難しいため、特殊清掃が必要です。
特殊清掃は、専用の薬剤を使用し、腐敗臭を根本から除去することを目指しますが、完全な除去には時間と高度な技術が要求されます。
これらの作業には相応の時間と費用がかかりますが、適切な清掃をおこなわないと物件の売却が困難になるため、必要経費と考えましょう。
孤独死が発生したマンションを売却する際、住宅ローンの残債額の確認も重要です。
住宅ローンが残っている物件を売却するには、まず残債を完済し、金融機関によって設定された抵当権を抹消する手続きが必要です。
売却代金でローンの完済が可能な場合は問題ありませんが、売却金だけではローンを完済できない場合、不足分を自己資金で補填する必要があります。
自己資金が不足している場合、物件の売却は困難になります。
とくに孤独死があったマンションは市場価格よりも低く設定されることが一般的であるため、住宅ローンの残債が多い場合には、通常の販売方法では売却が難しい可能性が高いです。
したがって、売却を検討する前には、住宅ローンの残高を正確に把握し、販売戦略を慎重に計画することが求められます。
孤独死が発生した物件の売却に際しては、買主にその旨をしっかりと伝えましょう。
とくに特殊清掃を施した場合、その詳細を購入検討者に隠すことなく正確に伝える義務があります。
告知を怠った結果、売却後に事実が明らかになれば、告知義務違反により損害賠償請求や契約の解除を求められるリスクが生じます。
そのため、売却手続きの際は、孤独死の事実を明確に告知し、その事実に対する買主の同意を書面に残すことが必要です。
取引の透明性が、将来的なトラブルを防ぎ、双方にとって公正な取引を保証するための鍵となります。
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孤独死が発生したマンションが事故物件に該当するかどうかは、発見された時期と状況によります。
すぐに発見された場合は事故物件に該当せず、売却価格への影響も少ないです。
孤独死のあったマンションを売却する際は、特殊清掃を実施すること、住宅ローンの残債を確認すること、告知義務を守ることに注意しましょう。
大阪市住吉区の不動産売却ならハウスドゥあびこ店へ。
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