2023-08-15
法定相続人が最低限得られる遺産として「遺留分」があります。
相続財産のなかに不動産がある場合、遺留分を算定する際に時価を評価しなければなりません。
そこで今回は、遺留分の概要や評価額の決め方、決まらない場合の対処法などを解説します。
大阪市住吉区、住之江区、東住吉区で不動産を相続するご予定の方は、ぜひ参考になさってください。
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はじめに、遺留分の概要と取得割合について解説します。
遺留分とは、法定相続人が必ず得られる最低限の遺産をいいます。
相続発生時に遺産をどのように分割するかは、被相続人の遺言書によって決められているケースが多いです。
しかし遺言書で指定されていない場合でも、法定相続人であれば、最低限の遺産を相続する権利があります。
法定相続人とは、被相続人の妻や夫、血縁関係にある親族など、民法で定められた相続人のことです。
たとえば父が亡くなり、母親と子ども2人が相続人になったとしましょう。
遺言書に「遺産はすべて妻に相続する」と記載されていたとしても、法定相続人である子どもは遺留分を取得できます。
法定相続人だからといって必ずしも遺留分を取得できるわけではありません。
なぜなら、法定相続人には優先順位が設けられているためです。
法定相続人それぞれに定められた遺留分と相続順位は以下のとおりです。
第1順位にあたる子や孫が存命の場合、第3順位の方が遺留分を請求しても認められません。
被相続人の兄弟姉妹または甥や姪については、法定相続人でも遺留分が認められていないためご注意ください。
また配偶者は常に相続人となりますが、死亡している場合は遺留分を残りの法定相続人で分配することになります。
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相続財産のなかに不動産がある場合は、遺留分を算定する際に時価を評価する必要があります。
とはいえ不動産の評価方法には複数の種類があるため、どの方法を選択すべきか迷う方も多いでしょう。
遺留分における不動産評価額は、おもに以下の手順で決められます。
各手順の具体的な内容について解説します。
はじめに、遺留分として取得する不動産の評価額を確認します。
不動産評価額には以下4つの種類があるため、特徴をしっかり確認しておきましょう。
地価公示価格
地価公示価格とは、国土交通省が公表している地価です。
基準地の地価を不動産鑑定士が鑑定・評価し、毎年3月に公示します。
コストがかからない評価方法ですが、不動産の所在地が基準地から遠いと適用が困難です。
地価公示価格は国土交通省のWebサイトで閲覧できるので、まずは確認してみると良いでしょう。
相続税路線価
相続税路線価とは、相続税や贈与税などを算出する際に基準となる評価額です。
道路ごとに設定されている路線価を用いて、その道路に面する土地の価格を算出します。
国税庁が毎年7月頃に公開しているため、国税庁のWebサイトで確認してみると良いでしょう。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する際に基準となる評価額です。
建物の場合は、この固定資産税評価額を参考にするケースが多いといえます。
毎年5月頃に届く課税明細書のほか、市区町村役場の固定資産課税台帳でも確認できます。
不動産鑑定評価額
不動産鑑定評価額は、不動産鑑定士に調べてもらった評価額をいいます。
不動産鑑定士とは、不動産の価値を鑑定・評価する専門家で、国が認めた国家資格者です。
不動産鑑定士に依頼するとコストがかかりますが、もっとも時価に近い評価額を知ることができます。
裁判でも参考にされるため、正確な評価額を知りたい方は不動産鑑定士への依頼を検討しましょう。
評価方法の特徴がわかったら、どの評価額を用いるかを相続人同士で話し合います。
ここでの注意点は、相続人全員の同意が必要になることです。
たとえば5人中4人が地価公示価格で評価することに賛成しても、1人が反対すれば遺留分を決めることはできません。
そのため、相続人同士でよく話し合い、意見を統一させる必要があります。
なお遺留分を計算する際は、遺産分割協議を終えた時点ではなく、相続発生時の不動産評価額を適用します。
最後に、相続人同士で決めた不動産評価額を用いて、遺留分の計算をします。
取得できる遺留分の計算方法は次のとおりです。
取得できる遺留分=不動産評価額×遺留分割合
たとえば、不動産評価額が1,800万円で、被相続人の子ども(遺留分割合は1/4)が遺留分を取得するとしましょう。
計算式は「1,800万円×1/4=450万円」となり、遺留分として450万円を相続できることになります。
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何度話し合いの場を設けても、意見が対立して評価額が決まらないこともあるでしょう。
ここからは、なかなか評価額が決まらない場合に検討したい対処法を3つ解説します。
不動産の評価方法で揉めている場合は、不動産鑑定士に評価・鑑定してもらうという選択肢があります。
不動産の評価方法には4つの種類がありますが、裁判でもっとも優先されるのは不動産鑑定評価額です。
第三者かつ専門家が評価してくれるため不公平を感じにくく、ほかの相続人も納得してくれるかもしれません。
30~40万円程度の費用が必要になりますが、どうしても決まらない場合は不動産鑑定士への依頼を検討しましょう。
相続では、相続人同士が感情的になってしまい、冷静に話し合いができないというケースも少なくありません。
このような場合は、弁護士に相談して法律的な観点からアドバイスをもらうのがおすすめです。
また、ほかの相続人との交渉まで依頼すれば、裁判をせずに遺留分を決められる可能性もあります。
費用はかかりますが、弁護士であれば相続に関する手続き全般を任せることも可能です。
相続人同士で揉めている場合や、遺留分に関する不安がある場合は、なるべく早いうちに弁護士へ相談すると良いでしょう。
相続人同士の話し合いで解決できない場合は、裁判所に遺留分侵害額請求を申立てる方法もあります。
遺留分侵害額請求とは、遺留分を侵害されたとして、侵害額に相当する金銭の支払いを請求することです。
法的に争うことになりますが、裁判所での判決は法的効力があるため、反対する方がいても遺留分の金額を強制的に決定できます。
ただし、裁判官が総合的な判断で遺留分の金額を決定するため、必ずしも希望通りになるとは限りません。
裁判所に訴訟を申立てる場合は、ご自身が望む結果でなくても受け入れなければならないことを理解しておきましょう。
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遺言書による指定がなくても、法定相続人であれば遺留分を取得できます。
遺産のなかに不動産が含まれていると、どの評価額を用いて遺留分を計算するかで揉めやすいため注意が必要です。
当事者間の話し合いでは解決しない場合、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に頼ることをおすすめします。
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