財産分与時に税金はかかる?長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いも解説!

財産分与時に税金はかかる?長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いも解説!

この記事のハイライト
●財産分与で不動産を渡す側には譲渡所得税が課される可能性がある
●3,000万円の特別控除の特例を利用する場合は離婚成立後に物件の名義変更を行う
●譲渡所得税の税率は不動産の所有期間が5年を超えるかどうかによって異なる

不動産を所有している夫婦が離婚するとき、財産分与として不動産を配偶者へ配分するケースは少なくありません。
その際に、不動産を譲った方に税金が課される可能性があるため、税金の扱い方は事前に確認しておいたほうが安心です。
そこで今回は、財産分与時にかかる税金の種類や特例、長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いなどを解説します。
大阪市住吉区で不動産を所有しており、離婚をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

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長期譲渡と短期譲渡の違いを知る前に!財産分与時にかかる税金とは?

長期譲渡と短期譲渡の違いを知る前に!財産分与時にかかる税金とは?

財産分与において税金が課されるかどうかは、財産を受け取った側と渡した側で異なります。
財産分与で財産を受け取った側には、基本的に税金は課されません。
一方で財産を渡す側には、場合によっては税金がかかることがあります。
ここでは、財産を渡す側が注意したい「譲渡所得税」について解説します。

譲渡所得税とは

不動産を財産分与すると、財産を渡した側に「譲渡所得税」がかかる可能性があります。
譲渡所得税とは、財産を譲渡することによって生ずる利益に対して課される税金のことです。
所得税と住民税を総称して譲渡所得税と呼び、2037年までは復興特別所得税も併せて徴収されます。
相手に不動産を売るわけではないのに、なぜ財産分与時にも譲渡所得税が課される可能性があるのでしょうか。
その理由は、財産分与を行うと離婚時の時価で譲渡したものとみなされるためです。
ただし譲渡所得税は利益に対して課税される税金なので、利益がでなければ税金はかかりません。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税は、譲渡所得(利益)に一定の税率を掛けて求めるため、税額を知るにはまず譲渡所得を計算する必要があります。
譲渡所得を求める計算式は以下のとおりです。
譲渡所得=不動産の売却価額−(取得費+譲渡費用)
取得費とは不動産を取得した時にかかった費用、譲渡費用とは不動産を譲渡した時にかかった費用です。
算出した譲渡所得に一定の税率をかけると、支払うべき税金の額がわかります。
税率は不動産の所有期間によって異なるため、詳しい計算方法は後ほど解説します。

税金の納付方法

前述したように、譲渡所得税は「所得税」と「住民税」の総称です。
つまり譲渡所得税が生じたら、住民税と所得税の2種類の税金を納めることになります。
所得税は、財産分与を行った翌年に確定申告を行い納付する必要があります。
申告期間は2月16日から3月15日と1か月程度しかないため、余裕をもって手続きしましょう。
住民税については、会社員の場合は給料から自動的に天引きされ、自営業の場合は納付用紙を利用して支払います。
納付用紙は、6月頃に自治体から郵送されるため、紛失しないようご注意ください。

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財産分与時にかかる税金は軽減できる?税金控除の特例とは

財産分与時にかかる税金は軽減できる?税金控除の特例とは

財産分与により譲渡所得税が課されることになっても、特例を利用して税負担を軽減できる可能性があります。
代表的な特例として挙げられるのが「3,000万円の特別控除の特例」です。
ここからは、3,000万円の特別控除の特例がどのような内容なのか、適用要件なども含めて解説します。

3,000万円の特別控除の特例とは

3,000万円の特別控除の特例とは、居住用財産を譲渡した場合に、時価から最高3,000万円を控除できる制度です。
財産分与における譲渡所得が3,000万円以下であれば、特例の利用により譲渡所得税をゼロできます。
ただしこの特例は、譲渡する相手が親族だと適用できません。
離婚前に不動産の名義を変更すると、親族への譲渡と判断されて特例を適用できない可能性が高いです。
不動産の財産分与を行う場合は、離婚届が受理されたあとに名義変更を行うことをおすすめします。
また特例を利用する際は、財産分与を行なった翌年に確定申告が必要です。
「特例を利用すると譲渡所得がゼロになるから申告は不要」と考える方もいらっしゃいますが、特例は申告して初めて適用が認められます。
申告期限を過ぎすると特例を適用できなくなり、節税できたはずの税金を納付することになるため、申告期限は守るようにしましょう。

特例を利用した場合の具体例

より詳細にイメージしやすいよう、具体的な数字を用いてシミュレーションしてみましょう。
8年前に購入した時間6,000万円のマイホーム(土地と建物)を相手に分与し、取得費は400万円、譲渡費用は100万円とします。
特例を適用した場合の譲渡所得は以下のとおりです。
6,000万円 -(400万円 + 100万円)- 3,000万円 =2,500万円
特例を適用しなかった場合は5,500万円が課税対象となるものの、特例を利用すると2,500万円と約半分になります。
節税効果の高い特例なので、要件を満たす方は必ず申告を行い、漏れずに適用するようにしましょう。

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財産分与における税金!長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い

財産分与における税金!長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い

先述したように、譲渡所得税の税率は不動産の所有期間によって異なります。
所有期間が5年を超えると長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得として扱われます。

  • 長期譲渡所得(5年超):税率20.315%(所得税 15.315%・住民税 5%)
  • 短期譲渡所得(5年以内):税率39.63%(所得税 30.63%・住民税 9%)

この所有期間は、譲渡した年の1月1日時点で計算します。
たとえば不動産を購入したのが2020年3月1日で、譲渡したのが2025年3月1日だとしましょう。
本来であれば5年を経過していますが、譲渡した年の1月1日時点で考えると5年未満となり、短期譲渡所得が適用されます。
5年を超えるかどうかギリギリの場合は、確実に5年を超えてから譲渡したほうが良いかもしれません。

財産分与を受けた側にかかる税金もある

財産分与を受けた側に税金は課されないと先述しましたが、例外的に贈与税や不動産取得税がかかることがあります。
たとえば、財産分与の対象となった財産額が、婚姻中に夫婦が得た財産額や諸事情を考慮しても高額すぎる場合などです。
このような場合、高額過ぎるとみなされた部分に対し、贈与税や不動産取得税が課税されます。
また、贈与税を不当に免れるために離婚したと判断される場合も、財産分与の対象となったすべての財産に対して贈与税が課されます。
さらに不動産の分与を受けている場合は、贈与税だけでなく不動産取得税も支払わなければなりません。
贈与税も不動産取得税も、本来であれば財産分与を受けた側には課されない税金です。
損をしないためには、どの程度が財産分与の適正額となるのか把握しておくことが大切です。
結婚後に取得した財産を2分の1に分けるのが原則なので、これに従って試算した金額が大体の目安となります。
財産分与の割合が2分の1を超える場合や、不安なことがあれば弁護士などの専門家に相談することが大切です。

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まとめ

財産分与において不動産を受け取る側には、原則として税金はかかりません。
一方で不動産を渡す側は、譲渡所得税がかかる場合があることを押さえておきましょう。
なお、不動産を受け取る側でも、もらい過ぎと判断された場合は、贈与税がかかる可能性があります。
不動産の財産分与で不安な点がある場合は、弁護士などの専門家に相談しながら手続きを進めていくと良いでしょう。
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堂前利之

部署:あびこ店 店長

資格:宅地建物取引士、不動産仲介士®、相続診断士®、土地活用プランナー®


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