2025-02-25
土地や建物などの不動産は、所有者ではないと原則売ることができません。
そのため、親が所有している不動産は、親の意思がなければ売却が難しくなります。
もし、親が認知症で判断能力が不十分になってしまったときは、成年後見制度を用いて売ることが可能です。
今回は、成年後見人とはなにか、申し立ての手続き方法と必要書類、売却方法について解説します。
大阪市住吉区で土地や建物を売ろうとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、成年後見人とはなにかについて解説します。
成年後見人とは、判断能力が不十分な方をサポートする制度です。
判断能力が不十分になる理由として、認知症や知的障害などが挙げられます。
もし、なんらかの事情で判断能力を失ってしまった場合、不動産や現金などの財産の管理や売却手続き、日常生活で発生する契約手続きなどがおこなえなくなってしまいます。
詐欺に遭ったり被害を受けたりすることもあるでしょう。
成年後見人の制度とは、そのような方を守り、支援するための制度です。
判断能力が不十分な方をサポートする制度には、下記の2つの種類があります。
任意後見制度とは、親と子どもが自由に契約できる種類です。
判断能力があるうちに、成年後見人を誰にするかを決め、契約(法的な効力を持つ公正証書にて)を締結します。
信用がある方なら、どなたでも成年後見人に選任することが可能です。
選任された方は、財産の管理ができるようになるので、不動産売却もおこなうことができます。
また、管轄する家庭裁判所にて、任意後見監督人を選任する必要があります。
任意後見監督人とは、任意後見人の監督をする方のことで、弁護士や司法書士といった専門家や、社会福祉士などの福祉に関係する方が選任されるのが一般的です。
万が一、後見人が不正などをおこなったとき、その立場を解任することができます。
法定後見制度とは、本人の判断能力が不十分になってから、後見人を選任する制度です。
家庭裁判所に申し立てをおこない、後見人となる方を選任してもらいます。
選任された方は、任意後見制度と同様、財産の管理ができるようになるので、不動産売却もおこなうことが可能です。
親などが認知症になり、判断能力が不十分になったあとは、法定後見制度を利用せざるを得ないケースが多いといえます。
法定後見制度は、判断能力が不十分になった方の状態によって、下記の3段階にわかれます。
判断能力がほとんどなく、日常生活に支障をきたす場合、成年後見人が選任されるのが一般的です。
成年後見人は、不動産や現金といった財産の管理をおこなう財産管理権や、本人がおこなった法律行為を取り消す取消権などが与えられます。
判断能力があるものの、財産の管理や不動産売却で不安が残る場合に選任されるのが保佐人です。
重要な法律行為における同意権や取消権、代理権などにより、親のサポートをおこないます。
補助人とは、物忘れがあるがそれを本人が理解しており、意思疎通ができている場合に用いられる種類です。
親の意思を尊重したうえで、不動産売却などの手続きをサポートすることになります。
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続いて、不動産売却における、成年後見人申し立ての手続き方法と必要書類について解説します。
手続きは、親が住んでいるエリアにある家庭裁判所にておこないます。
大阪市住吉区に住んでいる場合は、住吉区を管轄するところです。
内容は「成年後見開始審判申立」となっており、後見人を誰にするかを決めてから手続きをおこないます。
しかし、家族が選んだ方であっても、家庭裁判所は不適切だと判断した場合、ほかの方が選ばれることになります。
申し立てはどなたでもできるわけではなく、下記の方に限られます。
4親等内の親族とは、本人からみた夫や妻、父母や祖父母、子どもや孫、ひ孫や玄孫、兄弟や姉妹、従妹や叔父、叔母や甥、姪のことです。
申請の際に必要となる主な書類は、下記のとおりです。
申立書の付表とは、内容を詳しく記載する書類です。
申請をおこなった理由や、裁判所との連絡方法などを記載します。
後見人等候補者身上書は、候補者の情報を家庭裁判所に知らせるための書類です。
名前や住所、職業や収入の状況などを記載します。
上記は、あくまでも一般的に必要となる書類なので、家庭裁判所から追加で請求された場合は準備しなければなりません。
あらかじめ、どの書類が必要かを確認したうえで申請すると、手間を省けるでしょう。
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最後に、成年後見人が不動産売却をする際の方法について解説します。
居住用と非居住用で、売却の方法が少し異なるため注意が必要です。
居住用不動産における売却は、一般的に下記の流れでおこないます。
成年後見人が選ばれたら、仲介を依頼する不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは、契約期間や条件、仲介手数料の金額などを取りまとめた契約です。
媒介契約の締結後、不動産会社は成約に向けた販売活動を開始します。
買主が見つかり次第、条件のすり合わせや引き渡し日を決め、売買契約を締結します。
通常の売却と異なるのは、売買契約の締結後、家庭裁判所から許可を得なければならない点です。
なぜ売る必要があるのか、本人が将来住む場所はどこなのかといったことを伝え、許可をもらう必要があります。
許可が出なければ、売買契約は無効となります。
最後に決済と引き渡しをおこない、売却の完了です。
非居住用不動産の場合、家庭裁判所から許可を得る必要はありません。
住むための土地や建物ではないため、親などが住まいを失うリスクがないからです。
そのため、家庭裁判所での手続きを省いた流れで、手続きを進めることになります。
ただし、後見監督人が選任されている場合は、後見監督人の同意が必要です。
居住用か非居住用かを判断するポイントの一つとして、住民票の記録が挙げられます。
過去に1度も住んだことがなければ、非居住用と判断されるのが一般的です。
過去に住んだ経緯があれば、その建物は居住用とみなされるでしょう。
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成年後見人とは、判断能力が不十分な方をサポートする国の制度で、任意後見制度と法定後見制度の2種類があります。
成年後見人を選ぶときは、親が住んでいるエリアを管轄する家庭裁判所に対し、成年後見開始審判申立をおこないます。
居住用の場合は住むことを前提とするため、家庭裁判所に売る理由などを説明し、売却の許可を得なければなりません。
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