相続税における取得費加算の特例とは?適用できないケースもある?

2025-05-06

相続税における取得費加算の特例とは?適用できないケースもある?

この記事のハイライト
●取得費加算の特例とは支払った相続税を売却後にかかる税金の計算式に盛り込むことができるもので売却時の税負担を抑えることができる
●配偶者が財産を取得したときや生前贈与でかかる税金を先送りする制度を利用した場合は適用できない
●マイホームの3,000万円の特別控除や小規模宅地の特例などが併用可能

不動産の相続では相続税が、売却するとき売るための費用や税金などがかかります。
土地や建物を売ったときの税金は、利益に対して課税され、高くなる可能性があるため注意が必要です。
そこで適用したいのが、取得費加算の特例というものです。
今回は取得費加算の特例とはなにか、できないケースや併用は可能なのかについて解説します。
大阪市住吉区で不動産相続を予定している方は、ぜひ参考になさってください。

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取得費加算の特例とは?相続税はどうなる?

取得費加算の特例とは?相続税はどうなる?

まずは、取得費加算の特例とはなにかについて解説します。

取得費加算の特例とは?

取得費加算の特例とは、支払った相続税を、売却後にかかる税金の計算式に盛り込むことができる特例です。
先述のとおり、 税金がかかります。
その税金を譲渡所得税と呼び、利益のことを譲渡所得と呼びます。
支払う税金の金額を抑えるためには、利益である譲渡所得を小さくすることがポイントです。
譲渡所得は、下記の計算式を用いて算出します。
譲渡所得=不動産売却で得た総収入-(取得費+譲渡費用)
不動産売却で得た総収入とは、買主から支払われた金額のことです。
取得費とは、相続税が課税された土地や建物を、売ったときに支払った費用を指します。
主なものは、建物の建築費用や不動産取得税、印紙税や仲介手数料などです。
譲渡費用とは、相続税が課税された不動産を、売ったときにかかった費用となります。
売買契約書にかかる印紙代や仲介手数料、解体費用などが該当します。
譲渡所得を少なくするためには、取得費と譲渡費用をなるべく多く計上することが重要です。
取得費加算の特例を用いることによって取得費に相続税をプラスすることができるので、その結果、譲渡所得税を節税できます。

適用要件とは?

適用するためには、下記の要件を満たす必要があります。

  • 相続または遺言によって土地や建物を取得している
  • 相続税が課税され支払っている
  • 土地や建物の所有者が亡くなってから3年10か月以内に売っている

適用要件としてまず挙げられるのが、相続または遺言によって土地や建物を取得していることです。
遺言の場合、相続人以外の方もその財産を取得することができます。
土地や建物を売ったときの条件が、適用条件を満たしていれば、特例を用いることが可能です。
また、相続税が課税され支払っていることも、要件の一つとなります。
支払った相続税を取得費に加算できる特例のため、非課税の場合は用いることがそもそもできません。
さらに、土地や建物の所有者が亡くなってから、3年10か月以内に売っている必要があります。
取得した土地や建物の所有期間が長い場合、その不動産から利益を得ていると判断されてしまうからです。
相続税と譲渡所得税、両者が短期間でかかることの負担を軽減させるためのものなので、相続開始から売却までの期間が定められています。

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相続税の取得費加算の特例が利用できないケース

相続税の取得費加算の特例が利用できないケース

続いて、取得費加算の特例が、利用できないケースについて解説します。

できないケース1:配偶者が財産を相続したとき

できないケースとしてまず挙げられるのが、配偶者が財産を相続したときです。
夫婦のどちらかが亡くなり、財産を一方の配偶者が取得したときは、相続税が軽減される制度があります。
先述のとおり、取得費加算の特例は、相続税と譲渡所得税、両者が短期間でかかることの負担を軽減させるためのものです。
相続税が課税されていない場合、この特例は関係なく、適用できないことになります。

できないケース2:生前贈与でかかる税金を先送りする制度を利用した場合

生前贈与でかかる税金を先送りする制度を利用した場合も、利用できないケースの一つです。
生前贈与における税金対策として、相続時精算課税制度というものがあります。
この制度は本来かかるべき贈与税を、相続時に先送りできる制度です。
財産を所有していた方が亡くなったときに、贈与で取得した財産も、相続財産としてプラスされることになります。
税金の支払いを先延ばしにしているだけになるので、根本的な税金対策にはならないことが注意点です。

できないケース3:相続時精算課税と3年以内加算制度

贈与があってから7年以内に、財産の所有者が亡くなった場合、生前贈与がなかったものと判断されます。
そのため、贈与を受けた財産も、相続時の財産としてみなされます。
相続時精算課税制度と同様、贈与された財産も含め、相続税が課税される場合は特例の適用の対象です。

基礎控除額の計算式

税金が課税されるか否かは、財産の課税価格が基礎控除額を上回っているかどうかで判断します。
基礎控除額の計算式は、下記のとおりです。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)
上記の計算式で、財産の課税価格がいくらになるかを計算すれば、課税か非課税かを判断することができます。

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相続税の取得費加算の特例と併用できる特例

相続税の取得費加算の特例と併用できる特例

最後に、取得費加算の特例と併用できる特例について解説します。

併用可能なもの1:マイホームの3,000万円特別控除

併用可能なものとしてまず挙げられるのが、マイホームの3,000万円特別控除です。
マイホームの3,000万円特別控除とは、要件を満たすことによって、譲渡所得から最大3,000万円が控除される特例となります。
マイホームを売ってこの特例を利用し、譲渡所得がゼロまたはマイナスになれば、譲渡所得税を負担する必要はありません。
マイホームの3000万円特別控除は、利用できる方が多く、節税効果も高いので併用するのがおすすめです。
なお、譲渡所得税を計算するときは、下記のとおり期間に応じた税率をかけます。

  • 所有期間5年以下(短期譲渡所得):39%
  • 所有期間5年超え(長期譲渡所得):20%

所有期間が短いと、短期譲渡所得の税率が適用されることになります。
そのため、税金を抑えるために、売るタイミングを考える方も多いです。
マイホームの3,000万円特別控除は併用できるだけでなく、所有期間に関係なく利用できる特例となります。

併用可能なもの2:小規模宅地の特例

併用可能なものとして、小規模宅地の特例も挙げられます。
小規模宅地の特例とは、財産を所有していた方が、亡くなる直前まで暮らしていたり、事業として使っていたりした家を売る利用できる特例です。
一定の面積において、課税価格を下げることができます。
小規模宅地の特例も、マイホームの3,000万円の控除と同様、節税効果が高い特例の一つです。
適用することによって、かかる税金の負担を大きく減らすことができます。
取得費加算の特例と併用すれば、より高い節税効果を得られるでしょう。

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まとめ

取得費加算の特例とは、相続税と譲渡所得税、両者が短期間でかかることの負担を軽減させるための特例です。
配偶者が財産を取得したときや、生前贈与でかかる税金を先送りする制度を利用した場合は、この特例を適用できないことになります。
併用可能なものとして、マイホームの3,000万円の特別控除や、小規模宅地の特例などが挙げられます。
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